【人を動かす】スパルタ飲食店に入社半年でバイトリーダーになるまで実践したこと
一年前の話になりますが飲食店でバイトリーダーを務めていました。
飲食店はチェーン店でバイトスタッフは30人を超える中規模でした。
接客や業務の指導も徹底されており、かなり規則に厳しい職場でしたが長い人で5年続いている人がいました。
今日はそんなバイト先に入り、半年でリーダーになるまで実践した事を話していこうと思います。
はじめに
自分は狙ってバイトリーダーになったわけではありません。
しかしバイトを始めるにあたって心に決めていたことがありました。
それはD・カーネギーのベストセラー「人を動かす」の実践です。
当時対人関係の苦手だった私はこの本に出会い、自分を変えるきっかけとして飲食バイトを始めることにしました。そしてその結果が僅か半年で明確に現れることとなりました。
そのためこの記事で自分が述べる内容はこの本の内容が色濃く反映されていると思います。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
必要な情報のみ抽出する
働いていた飲食店では接客に関する評価制度が2つありました。
- お食事後にお客様が書かれるアンケート
- 月に1回来店する覆面審査官による点数評価
意識の高い方々が集まる私のバイト先では、いかにこれらの評価で自分が選ばれるか競争している方々がいました。
『俺はお客さんが気を立てないように毎回音をたてないようにコップを置いてるんだぜ』
『お前も俺みたいに評価を受けたかったら少しくらい客の顔見て接客した方がいいよ』
『お前メニュー説明のスピードがそんなんじゃいつまでたっても評価受けられないよ』
新人の頃に競争意識の高い先輩方から受けた言葉です。
やはり意識が高いためか、棘のある言い方をする方が多かったように思います。
同期で入った2人はこれに対し、反論するか、陰でうざいとか言い合っているのを覚えています。
しかし私は特に反論も否定もせず、相づちを打ってました。
またその中から必要な情報だけを抽出し、頭の中に入れるという事をしておりました。
棘のある言葉ですが、逆に棘を除けば自分の上達に必要な情報が含まれているのです。
例えば
『お前メニュー説明のスピードがそんなんじゃいつまでたっても評価受けられないよ』
では、メニュー説明のスピードが遅い事が原因で自分が上達できていないのです。
でも実際、この言葉を受けてみると感情が先立って内容が頭に入ってこない人がほとんどのように思われます。
ですので自分は
『わかりました、ご指導ありがとうございます。』と機械的に相づちを打ち、頭の中の抽出作業に集中し、否定された事実から目を逸らすことを続けました。
これを行うことで嫌な気持ちにもならず、次自分がとる行動の注意点を明確にすることが出来ます。
これを初日から実践して一ヵ月経つ頃には周りから何も言われない接客スキルが身に付きました。一方で同期の二人のうち一人は結局やめてしまい、もう一人は三ヵ月近く言われていました。
相手の考えを否定しない
私の接客スキルの上達速度には店長も目を見張るものがあったらしく、褒められる機会が多くなりました。
そんな中で歴の長い先輩方からは少し嫌がらせのような事を受けるようになりました。
『お前のメニュー説明の時の最後の一言、余計だからやめた方がいいよ』
『客に媚びるような接客して楽しいの?』
『馴れた雰囲気出すのはまだ早いんじゃない?』
注意と受け取れる言葉もありましたが、中には明らかに嫉妬して自分の行動を否定してくる先輩も現れ始めました。
しかし、先輩方が自分の行動を否定する中で私は先輩方の言葉を否定したことは一度もありませんでした。
否定に否定をぶつけるとそこから生まれるものは衝突です。
ですので私は衝突を回避するためにまた相づちを打って回避することにしました。
この時も脳裏では別の事を考えておりました。
それは『なぜ否定するのだろう』です。
もちろん、嫉妬とか注意とかそういった単純な解であることはわかりますが、さらに深く考えて、その人の性格上なぜあの行動が気に障るのだろうと考えていました。
例えば
『客に媚びるような接客して楽しいの?』
に対してはお客様とコミュニケーションをとれている事に嫉妬されたと取ることができます。
次になぜそれに嫉妬するのだろうと考えると、自分にできないからでは?とかいった仮定に着きます。
この仮定を基にその人の行動を見ると割と面白いことが明らかになったりします。
その人はお客様の前では緊張して笑顔になれず、そそくさと業務だけこなして戻ってくるのです。
これを考慮するとなんだか可哀そうな気すらしてきました。
このように否定を真に受けず別の事に注意を向けることで新たな発見が出来ます。
自分の行動、言動に自信を持つ
『〇〇さんは気配りが上手だね』
言われた相手は自分の行動を肯定されたことで気分がよくなります。
しかしこうは思っていても、この一言すら恥ずかしくて出せない人が大半です。
例えば
『〇〇さんは歩き方が静かでいいね』
『〇〇君は笑顔が素敵だね』
『〇〇先輩は挨拶が綺麗ですね』とか
(よほど言葉の裏を読む人以外には、、)これらの言葉は肯定のニュアンスしかない言葉です。つまり相手はいい気分しかしないのです。
もちろん自分が本当に思っている事を言わなければそれはただのお世辞です。
ですので自分が本当に思っているプラスの感情、思いを相手に伝えることが大事です。
そしてそれを実行するために大きく関わってくるのが『自信』です。
これらの言葉をストレートに発せない人の大半が周りからどう思わているかを気にされていると思います。これを恥じらいの壁と私は呼んでいます。
『これを言ったら口説いてる感じにならないかな…?』
『これ周りからみたら痛いヤツだよな、、、?言うリスクの方高くない?』
『これ言ったところでなぁ…』などなど
もちろん考え方の1つとして不用意なリスクを回避するためにもこうした発言は控えるべきという意見もあると思います。
しかし私はそれでも自信を持って相手にはっきり伝える事がなにより大切だと思っています。
これらの言葉を発する段階で、この恥じらいの壁の他にももう一つ壁があります。
それは尊重の壁です。次節で説明します。
他者を尊重する
前節で説明した尊重の壁、それは他者を認める(相手の存在を重んじる)という事と同義です。
相手を褒めるという行為には同時に相手を認めるというプロセスも必要になります。
簡単に思えてなかなか難しく感じる方が多くいらっしゃると思います。
例えば【相手の考えを否定しない】の節で例に挙げた先輩は私の成長速度を認められなかった故に嫉妬という感情に行きついてしまいました。
私はこの先輩を反面教師にし、指導の立場にまわるようになった頃(入社3か月目)にはとにかく相手の長所を探し、それを口に出すという行為を繰り返しました。
それを実行することで慕ってくれる後輩が増えるようになりました。
また接客指導について歴の長い先輩より自分に教えを乞うようになる後輩も多くなりその点も店長から評価されていきました。
そして本部からの刺客である覆面審査官からも連続三ヵ月で満点のスコアを頂きその実績から半年でリーダーに任命されました。
終わりに
このアルバイト経験は自分にとってかけがえのないものになりました。
わずか半年で自分よりずっと歴の長い先輩方よりも評価していただけた事実は自分にとって大きな自信となり、今もあらゆること物事の原動力として自分の中に生き続けています。
そしていつまでも謙虚な心を大切に日々精進していければと思っています。
後日談になりますが自分はある方にヘッドハンティングされ入社1年後にはバイト先を離れることになります。
その事についてもいずれ書いていければと思います。
最後まで閲覧いただきありがとうございました。